「音楽でやるべき事がなくなってしまった」という台詞は、痛切な真実、というより、冒頭に書いた、現代社会病としての鬱病の、典型的な症状と考えるべきでしょう。フォークとロックとシャンソンだけを基礎ツールに、キャスティング替えだけで回していたら、そりゃあいつかやるべきことは尽きてしまうだろう。等とは、とても言えないからです。歌うべき歌は、やるべき新しいトライは、道端で一人になってもあるのです。四肢を失っても、瞬きを使ってでも刻むべきリズムは必ずあるのです。故人にも必ずあった筈です。故人のあの声、天性の天声は、まったく変わっていなかったのですから。

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